通常ダイエットの食事というと食品のカロリーに着目して、カロリーを抑えた食事をします。しかし、低インシュリンダイエットはカロリーは気にしません。
では好きな物を好きなだけ食べていいかというとそうではなく、カロリーの代わりにGI値という数値に着目して食事をするダイエット法になります。

GI値というのは、血糖値の上昇率で、このGI値が低いほど血糖値はゆるやかに上がることになります。ということは、低インシュリンダイエットは血糖値の上昇を抑えることを目指すダイエットということになりますね。

血糖値の上昇を抑えることがなぜやせることにつながるのかというと、血糖値＝つまり血液中の糖分の量ですね。これが上昇しているということは血液中に糖分がたくさんあるということです。糖分が過剰になる場合、いらないいらない...と捨てられればいいのですが、そうはならずその糖は脂肪へと変わり、体内に蓄積されてしまいます。つまり、血糖値の上昇が脂肪の蓄積につながるので、血糖値の上昇を抑えようという考えの基出来上がったダイエット法が低インシュリンダイエットなのです。

インシュリンというのは糖を脂肪へと変えて蓄積させる働きをするホルモンのことです。血糖値が高くなればインシュリンを多く分泌して糖を処分しなくてはなりませんよね。そこでこのダイエット法のように血糖値を抑える食事をする、つまりインシュリンの分泌も低く保つということで低インシュリンダイエットと呼ばれているのです。

低インシュリンダイエットと一口にいっても、実は色々な人が提唱しているダイエット法が多く存在します。

日本で一番知られているのはその中でもバリー・シアーズ博士のゾーンダイエットでしょうか。
ゾーンダイエットというのは、炭水化物、たんぱく質、脂肪の三大栄養素を摂取するバランスを４：３：３にするという方法です。

むやみにGI値の低い食べ物ばかりを食べるのではなく、炭水化物、たんぱく質、脂肪のバランスにより血糖値の上昇を抑えようというダイエット法になります。

また、低炭水化物ダイエットも低インシュリンダイエットの一種です。こちらのダイエットは、呼んで字のごとく、炭水化物の摂取を低くするダイエット法です。つまり、炭水化物をあまり食べないようにしようということですね。このダイエット法は、ロバート.C.アトキンス博士が提唱しました。

他にも低インシュリンダイエットには色々な方法が提唱されており、H・レイトン・スチュワート、モリソン・C・ベセア、サミュエル・S・アンドリュース、ルイス・A・バラートの4人によるシュガー・バスターも低インシュリンダイエットの一種といえるでしょう。GI値の低い食事をするというのは低インシュリンダイエットの主眼ですが、シュガー・バスターは精製された砂糖を摂取しないという主張がメインとなっています。

低インシュリンダイエットの問題点として、取り上げられているのが栄養バランスの崩れです。
GI値が低い食品ということだけを考えて食事をするわけですから、栄養学でいうところの栄養バランスが崩れてしまい健康に悪影響を及ぼすというのです。
確かにそう言われればもっともだと思うのですが、そもそもダイエットを必要としている人はバランスよく食事をしているでしょうか。

ダイエットの王道とも言える食事制限は、カロリーに着目しますが、それだけではなく栄養バランスよく食事をしましょうと言われますよね。とすると、ダイエットを必要としている人は栄養バランスよく食事をしていない可能性が高いのではないでしょうか。

今までバランスがよくないのだから、低インシュリンダイエットの栄養学的にバランスが悪い食事でもいいじゃないかというのも乱暴な考え方だとは思いますが、太ったままでいれば健康に害があるのだとしたら、とりあえず低インシュリンダイエットが向くと思えたならばやってみるのも一つの方法ではないかと思います。

もちろん、そこで栄養学的なバランスをばっちりの食事をすることができる！という方は栄養学に基づいたダイエットをされればよいでしょうけれども。

低インシュリンダイエットで痩せられるという科学的根拠は少ないという話を聞いたことがあります。
これは低インシュリンダイエットの中でも低炭水化物ダイエットの有効性をめぐって、アメリカで討論された際に出された意見です。

では、低インシュリンダイエットの理論は机上のものであり、実際には痩せられないのか？というと実際に低インシュリンダイエットを実践して成功している人もいます。そして、ここがダイエットの難しいところだと思うのですが、アメリカで討論された低炭水化物ダイエット。炭水化物を取りすぎると太る...というのは一般的な知識としても多く知られているところですので納得のダイエット法なのではないかと思いますが、実はまったく逆の発想で高炭水化物ダイエットというダイエット法も存在します。炭水化物をたくさんとってやせるの？と思ってしまいますが、こちらのダイエット法でも実際に結果を出している人がいるのです。

このように、ダイエット法はそれぞれ理論に基づいて考案されていますが、まったく逆の発想によるダイエット法が数多く存在します。そして、そのどちらでもきちんと結果を出している人がいるのです。
これはその体質や生活習慣などその人それぞれに合った方法が違うからではないかと思います。例えば栄養学的にバランスがよい人が長生きして、悪い人が早く亡くなってしまうかというとそうではないということと通じるのではないでしょうか。

栄養学的に、科学的にといったことも重要ではありますし、無茶なダイエットはやめるべきでしょう。けれど、それにとらわれすぎず自分に合った食生活をみつけることがダイエットには必要なことなのではないかと思います。